様々な専攻分野、日本・中国・韓国の出身者で構成される本校・研究科では、毎年、この共同制作を通じて、社会に対しての自分らしい問題意識を持ち、協働によるクリエイションの可能性の模索を試みています。
今年は、杉並区の交流都市である福島県 南相馬市のご協力のもと、現地でのフィールドワークと、南相馬藍サークル・ジャパンブルー柚木との交流応援プロジェクトを展開しております。個々の学生の日頃の研究制作の成果と、共同プロジェクトでの取り組みを展示いたします。
展示にかける思いを展示前の学生たちに、インタビューしてきました!
今回、このプロジェクトを実施するにあたって、学生たちは4月から南相馬や藍染についてリサーチを重ねてきました。夏には学校内で化学染料による藍染に事前に挑戦して、手順や仕上がりを確認し9月には福島県 南相馬市へ赴きました。
南相馬ではどんなことを経験して何を感じましたか?
「今回、私たちは藍染の体験をしてきました。お世話になった南相馬藍サークル・ジャパンブルー柚木の方々は、元々豊かな土地を活かし稲作など農業を行っていましたが、原発事故の影響で作物を育てられない時期があり、”藍”を育て始めたのだそうです。
私たちはそんな”藍”の葉を摘むところから、その葉を擦って色を出すまでを体験しました。全て手作業で大変でしたが楽しかったです。
実際に自然の藍から染色した布は人によって発色も違って、学校で事前に練習した人口染料による藍染より、色が淡く、でき上がるまでどんな模様になるかわからないワクワク感もありました。」
自分たちが感じた南相馬の「思いの強さ」を、多くの人に伝えたい
「私たちは、現地の方から東日本大震災の津波被害にあった話を聞き、実際に被害にあった地区にも足を運び衝撃を受けました。今は復興に向けた活動が活発で、現地の方の思いの強さを感じました。なかなか、そういった活動が表に出てこない中、今回の展示で私たちが感じた南相馬についてや、そこに生きる人々の思いを多くの人に知ってもらえたらと思います。」研究科の教室には今までリサーチしてきたことをまとめたボードが貼られ、これからの展示に向けて準備が進められています。
人形町へお寄りの際はぜひ、学生たちの感じた南相馬と、現地で制作した藍染作品をごらんください。
主催:阿佐ヶ谷美術専門学校
プロジェクト企画:ASABI 総合クリエイティブ研究所
共同プロジェクト実施協力:福島県南相馬市 藍サークル・ジャパンブルー柚木