アサビでは、高等学校卒業の資格を既に有している方を「社会人」と呼んでいます。大学・短大・専門学校に進学している人、アルバイト生活をしている人、就職した人などが、美術・デザイン・クリエイティブの道へ進むため、あらためてアサビの本科(デザイン学科・コンテンツ学科・アート学科)に入学しています。ここでは、社会人入学の選考方法と、社会人入学をした在校生や卒業生のインタビューを紹介します。

社会人入学の選考種類

●AO(自己推薦)選考 ※社会人対象入学奨励金制度があります

美術やデザインの経験を問うことなくどなたでも応募できます。本人の意欲を示してもらうために自己PR書(フォーマットあり)を提出。AO選考では社会人対象入学奨励金制度(入学金5万円免除)があり、制度申込みの場合は当日にPR資料の持参が必須です。
選考の内容:面接の手がかり作成(当日)/面接/自己PR書 奨励金応募の場合:PR資料

デザイン学科・コンテンツ学科・アート学科
[3年制]
各学科定員40名
選考種別 願書受付 選考日 合格通知

AO(自己推薦)第1回・第2回・第3回実施

第1回 9月2日(月)〜9月13日(金)
第2回 11月1日(金)〜11月22日(金)
第3回 12月2日(月)〜2025年1月24日(金)
最終日の16:00必着
第1回 9月15日(日)
第2回 11月24日(日)
第3回 2025年1月26日(日)
各回 9:10〜16:00
第1回 9月18日(水)
第2回 11月27日(水)
第3回 2025年1月29日(水)
PR資料:ポートフォリオ、自分が作った作品、大学の卒論や自分が関わった研究資料、他学で学んだ実績、社会での成果や実績で見せることのできるものなど。クリエイティブに限らず今までの自分の活動をアピールできるものです。

●一般選考 ※社会人対象入学奨学金制度の対象外です

美術やデザインの経験を問うことなくどなたでも応募できます。年度の後期から実施される選考です。応募者に達した場合、第3回一般選考はおこなわない場合があります。2年次編入学の選考は一般選考日におこないます。
選考の内容:面接の手がかり作成(当日)/面接

デザイン学科・コンテンツ学科・アート学科
[3年制]
各学科定員40名
選考種別 願書受付 選考日 合格通知

一般選考第1回・第2回・第3回実施

第1回 12月2日(月)〜2025年1月24日(金)
第2回 2025年2月1日(土)〜2月28日(金)
第3回 2025年3月1日(土)〜3月21日(金)
最終日の16:00必着
第1回 2025年1月26日(日)
第2回 2025年3月2日(日)
第3回 2025年3月23日(日)
各回 9:10〜16:00
第1回 2025年1月29日(水)
第2回 2025年3月5日(水)
第3回 2025年3月25日(水)

●2年次編入学 ※社会人対象入学奨励金制度の対象外です

本校以外の専門学校・大学・短大で1年以上、高等専門学校4年以上を修了した方は、2年次編入に応募することができます。ポートフォリオ、または本人の作品を3点ほど持参していただきます。作品のジャンルは問いません。編入を希望する学科・コースを対象とした面接をおこないます。
選考は一般選考日におこないます。
選考の内容:面接の手がかり作成(当日)/面接/持参作品


【在校生インタビュー】

デザインやアートを基礎から学びたかった!



デザイン学科 視覚デザインコース3年(2023年度当時)
福島彩さん

高校の頃から絵を描くことが好きでしたが、将来仕事にしたいとは考えてはいませんでした。大学に進学したのですが、1年次から何か違うとすでに感じていました(笑)。独学でAdobeのソフトを使ったり、友人とグループ展をやったり、デザインフェスタに参加したりと、制作活動はしていました。
大学卒業後に就職したあと、未経験で募集していたデザイン会社があったので入社しました。デザインの仕事に本格的に関わる中で、自分に知識が足りないことを感じ、しっかり基礎から学びたいと思ったのが入学のきっかけです。
あらためて大学を受けるのはしんどいので、インターネットで専門学校を検索してたくさん資料請求をしました。その中で学校案内のデザインが一番良かったのがアサビでした。学校説明会に参加してみて、校舎の雰囲気がとても気にいりました。さまざまなことを体験したかったので、1年生から入学し、選考では社会人奨励金制度で応募しました。入学前は同級生との年齢差は気にはなりましたが、クラスメイトとアニメや漫画の話が合って、友達はすぐにできました(笑)。
1年生前期で色々なクリエイティブを体験して、後期に視覚デザイン基礎を選択。雑誌制作の課題は大変でしたが、とても楽しくできました。アートも好きだけど、今は自分にデザインが合っていると思っています。授業で上製本の作り方を学んだので、これから好きなものや自分の撮った写真を上製本にしてみたいです。将来はWebかエディトリアルの仕事をしていきたいですね。

課題作品 左から:オリジナル雑誌の制作/マイクロツーリズムのためのポスター



【在校生インタビュー】

大学はプロダクト系。でもグラフィックがやりたくて編入!



デザイン学科 視覚デザインコース3年(2023年度当時)
川崎健太朗さん

工業高校の機械科だったので、設計やデザインがやりたくて工学系の大学に進学しました。大学でプロダクトデザインを専攻していましたが、グラフィックデザインに興味を持ち、学び直したいと思って専門学校を探しました。 美術・デザイン系の専門学校に関しての知識が無かったので、知り合いから情報を集め、卒業制作展をみてからアサビに決めました。
デザインの基礎は大学ですでに学んでいたので、専門コースに分かれる2年生からの編入で入学しました。編入ができるというのもアサビを選んだ理由のひとつです。
入学時の視覚デザインコースの先生との面談で、先生が親しみやすく距離感が近いと感じたのが印象的です。授業においても先生に相談しやすく、そこが大学とは違うところですね。
タイポグラフィなど初めて習うことも多く、視覚デザインの授業は楽しいです。それと、今までデッサンをやったことが無かったので、学術造形課目でデッサンが選択できたのも良かったです。
卒業後はデザイン事務所でパッケージやロゴのデザインを手がけていきたいと思っています。


課題作品 左から:オリジナルフォント/紙おむつの雑誌広告/洗濯バサミのためのパッケージ


【卒業生インタビュー】

「デザインの仕事がしたい」想いを現実にするために。



グラフィックデザイナー
鳥居百恵さん
2020年デザイン学科・視覚デザインコース卒業

子どもの頃からおとなしく絵を描いているような子どもで、中学の美術の先生から「美術をやめちゃダメだぞ」と言われたことが嬉しかったです。しかし、私が暮らしている岩手県の田老地区は漁業の町で、絵や美術を仕事にするということは、家族を含めて現実味のない夢と思われるような環境でした。就職を考えて地元の商業高校に進んだとき、美術の授業の中でグラフィックデザインや本の装幀という仕事を知り、「将来モノづくりをしたい」という思いが強くなりました。しかし、2011年の高校2年生のときに東日本大震災がおこり、津波が田老地区を直撃しました。家族は無事でしたが震災後からは避難所での生活となり、高校卒業時には先生に紹介してもらった企業に就職をしました。
配属先が千葉ということもあり東京へはよく遊びにいきました。高円寺にもいきました(笑)。職場では「デザインが好きだ」という話をしても誰も関心を持たない雰囲気でした。2年間勤めて退職した時は何も考えてなかったのですが、実家に戻って働いてお金がたまってきた時に「デザインを仕事にするために学校にいこう!」と思いました。
以前、好きだったイラストレーターのくぼあやこさんが、一度働いてからアサビで学んだということをプロフィールで読みました。年齢を重ねてから入学してプロになる人もいるのだと知り、そういう学校が自分に合っているかもしれないと、アサビの説明会に参加しました。その時は美術やデザインで何をしたいのか具体的な目標はまだ決まってなく、1年生の時に幅広いクリエイティブの基礎を学ぶと聞いて、今の私にぴったりだと感じて入学を決めました。当初はクラスメイトと年齢差もあるので友達は必要ないと考えていました。「とにかく学びたい!」という気持ちが強かったのです。ある授業でソフトウエアの使い方が全く分からなかったとき、同じクラスの年下の子が詳しく教えてくれました(笑)。実際には友達もできて、在学中に年齢差を感じることはなく、周りと楽しく過ごしていました。
授業課題ではテーマによっては興味がわかなかったり、やる気が高まるテーマもあります。自分がやりたい!と思った課題には時間と労力をとことん注ぎ込みました。そして、就職用のポートフォリオもしっかり作り込みました。エディトリアル系の仕事に就きたかったので、学校にくる求人だけでなく美術雑誌に載っている求人も探して現在の会社に入ることができました。
自分が地方出身のせいか、かつては地方のデザインは東京のデザインには劣ると考えていました。しかし、最近では地方で活躍しているクリエイターや、素晴らしいデザインに出会うことがあり、その考え方が変わりました。今後はエディトリアルに限らず地方を活性化できるデザインにも参加していきたいと思っています。


鳥居さんのお仕事 左から:『Smart LOGOS』/『四季dancyu』日常ごはん