このコンペの応募資格は27歳以下の映像作家や監督。今回3000以上の応募作品の中から鈴木さんの作品を含む80作が選ばれ、ドイツへ招待されました!
帰国した鈴木さんに、受賞式のことや作品についてインタビューしました!
8mmフィルムで現代を撮る違和感。
-どんな作品を出品したのですか?鈴木さん「今回は、2年生の時に授業で習った”8mmフィルム撮影”で、地元のお祭りを撮った作品を応募しました。
コンセプトは”伝統・歴史”で、昔の記録映像に見えるように現代を撮影しています。
誰でも行ったことがある”お祭り”ですが、記憶の中で曖昧になって”ふわっと覚えているあのイメージ”にしたくて撮影したモノクロ映像を紫色に編集しました。
大きな山車が回転する様子やそれをスマホで撮影する人たちを8mmフィルムを通す事で、現代の風景なのに歴史を感じさせる”違和感”のある作品に仕上げました。」
-本当だ!スマホを持っている人がいる。画面は古めかしい印象なのに不思議な違和感がありますね。
鈴木さん「8mmで撮ると、現代を撮っていても歴史があるような映像に見えるのが面白いです。」
応募エントリーも全て英語
-ドイツの映画祭に応募したきっかけは?鈴木さん「末岡先生の授業で”海外に作品を出す!”というのがあって、それで応募しました。
応募エントリーも全て英語だったので、私が日本語で書いたものを末岡先生に翻訳してもらいました。
高校生の時には”美術で英語なんて使わないだろう”って思っていましたが、ここで使う機会がありましたね…。
ドイツでの授賞式も、司会者も他の受賞者もみんな英語で、私は日本語しか話せないのでどうしようかと思いましたが、日本人の受賞者がいたので、その方にSNSを通じて通訳をお願いすることができましたし、繋がりができました。」
-言葉の壁も切り抜けて、知り合いも増やしてしまう行動力は見事ですね!
狙い通りの嬉しい反応
-ドイツのお客さんの反応はどうでした?鈴木さん「観客の方から”これは昔の記録映像なの?”と質問があり、”記録映像に見えるよう”制作した私の狙い通りの反応をもらえたので嬉しかったです。
その他にも海外はグループワークが多かった中、個人制作が珍しかったようで”1人で制作したの?”といった質問や、”デジタルで撮影したものを8mmフィルム風に加工したの?”といった技術的な質問もいただきました。」
-鈴木さんから観た世界の応募作品の印象もぜひ教えてください。
鈴木さん「ストーリー仕立ての作品が多かったように思います。あとは、単焦点※で撮った作品が印象的です。役者さんを追いかけてカメラも走っているのに、ピンがずっと合っている!本当にすごいと思いました!私もあんな技術が欲しいです。」
※焦点距離が1つに固定されているためズームが効かず、ピントを合わせるには撮影者自身が距離を合わせる。
-さすが映像メディア科、専門的なところをみていますね。
鈴木さん「見てるところが違うって、家族にも言われます。」
仕事をしながら、作品も制作したい
-今後の予定は?鈴木さん「写真スタジオに内定が決まっているので、仕事をしながら自分の制作も続けていきたいです。
今後はノスタルジック、幻想的な感じや、好きなものを詰め合わせて映像を作ってみたいです。
映写機は持っているので、お金を貯めて8mmフィルムのカメラが欲しいですね。
卒業しても、アサビの写真工房を利用させてもらえるのでフィルム撮影をしたら現像しに来ます!」
卒展に向けて作業の真っ最中に快くインタビューを受けてくれた鈴木さん、ありがとうございました!
2018年2月23日〜25日には本校で卒展が開催されますので、ぜひ作品を観にいらして下さい!
(下写真:受賞した作品「千古の憶え」キャプチャ画像)